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製餡師 中村吉晴さん

Dscn0203京都・北野天満宮の近くに「中村製餡所」というあんこ屋さんがあります。姜尚美さんの「あんこの本」がキッカケで、私はその店を知りました。

四代目であられる中村吉晴さんは、赤飯運動のお仲間でもあります。中村さんの書かれるブログ「はる」が、とってもステキで、私はかねてから、楽しみに読ませていただいてます。

今年に入って特に中村さんのブログには「小豆の香り」「雪の日の真剣勝負」など、ドキドキするエッセイ風のつづりが掲載されるようになりました。あんこの作り手でなければ知り得ないような宝の言葉がいっぱい詰まったブログに心ときめき、私は中村さんとあらためてお話しがしたくなりました。

Dscn0196 Dscn0199 写真左/お母さまの特製さくら餅。さすが、あんこ屋さんの桜餅です。美味なる「こしあん」がいっぱい詰まっていました。
お茶の美味しさにも感激!

写真右/中村製餡所 四代目 中村吉晴さん(1968年生まれ)

中村さんはバブル時代の終わり頃、東京で銀行マンをしておられたそうで、稟議書などの書類作成で、文章力を培われたとか。「手書きの文章しか読んでくれない上司に、相当鍛えられました」と、笑っておいででした。

8年勤務した後、「銀行の仕事は、他人様のお金を扱う仕事。ビジネスは自分でやってこそ、面白い」と帰郷し、30歳から中村製餡所に入られます。

四代目としての重責を訊ねると、「京都で四代目なんてヒヨっ子みたいなものです。うちのお得意先は、1500年代に創業したような和菓子屋さんもありますから‥‥」と。

日本で和菓子屋さんの歴史は古くても、あんこだけを分業する製餡業の歴史は、せいぜい一世紀と少しばかり。静岡県に端を発します。中村製餡所のように、京都に生まれ、京都で育まれた製餡所は少ないのだそう。

あんこは、豆を炊き上げるときが勝負。
小豆を炊く2時間ばかりのうちに、炊き上がりの瞬間とも言うべき30秒があるとのこと。今から砂糖を入れるぞという「その30秒のタイミングに立ち合わないと、おいしいあんこはできません」。
豆が炊き上がる瞬間は、気候や畑の状態によっても変わってきます。小豆の皮の厚み加減や、粒の具合、職人の目はその瞬間を見逃しません。製麺業でお聞きした話しと似ています。何事も「見極め」が肝要なのです。

大手では、材料を入れたら全自動でアンコが出来上がるのとは異なり、日々、小豆と向き合い、微妙な違いを加減するのだそう。

あんこを炊くって、ワクワクと難しいもの。ドキドキしながら火を止めて、冷めるとパサパサあんこになってしまい肩を落とす、同じ失敗を重ねたことは数知れず(これは、私の話しです)。

「おいしいあんこを食べてもらいたい」「これまであんこ嫌いだった人に、中村製餡所のあんこを食べて、あんこが食べられるようになったと言ってもらえるようなあんこを作っていきたい」と中村さん。

ふつうのあんこと中村製餡所のあんこ、その違いは、あんこ好きにはたまりません。「あんこ屋さんのもなかセット」は、10個分の種(もなかの皮)と、あんこ入りで税込1,000円。買いたくなったら京都観光で中村製餡所に訪れるか、電話注文でも送っていただけます。

昨日も豆好きな知り合いに持って行ったら案の定、好評でした (*^-^)

「うちの餡は高いと言われます」。それは、北海道で穫れた「その年に一番出来のいい小豆」を仕入れるからですよね。

「うちの餡に惚れて買ってくださるお客さまに、悪い人はいません。わざわざ選んで買いに来てくださるのですから」。あはは、それって、私のことですか? (‥‥スミマセン)

職人さんの手仕事が連綿と受け継がれ、100年、200年後も美味しいあんこが食べられることを願います。来世でも、私は中村製餡所のあんこが食べたいです。

中村製餡所 京都市上京区一条通御前西入大東町88 TEL 075-461-4481 水曜、日曜が定休日

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豆・豆料理探検」カテゴリの記事

コメント

はる さま、こんにちは。

コメントを2つも入れてくださって、ありがとうございます。
昭和43年は、1968年ですね。足し算、引き算で間違えていました。
営業時間中に話す場をもうけて、貴重なお話しをお聞かせいただき、うれしかったです。

ライターとしての私は、たぶん、とてもしつこいし、意地悪な質問をズケズケします。
最近、また書く仕事をしたくて、営業活動にも動くようにしました。
豆に関することで、書く場が見つかれば最高なのですが‥‥

農家さんとか、あんこ屋さん、豆の小売店さん、和菓子屋さん、お豆腐屋さん、‥‥豆に関わるいろんな人のお話しを聞いて回り、文章にして世に発信していきたい、それが今の私の一番の願いです。

辻本の親分、こんにちは。

私も和菓子が好きです。
でも、最近は、あんこや黒豆を使った洋菓子も増えてきましたよね。

中村製餡所のもなかは、小さい子がとてもよく食べるので、本当においしいんだと思います。
子どもは、おいしいのとそうでないのを嗅ぎ分けるんですよね。

再度コメントお許しください。

製餡師・・・のどかさんの造語なんでしょうね。
僕には立派過ぎますが、精進せよという激励と受けとめておきます、
有難うございます。


インタビューでは、いつもと違うのどかさんの顔が見えて
とても新鮮でした。
文章を書くプロとしての顔です。
書いた文章に責任を持つというお話のあたり、とても迫力があり
恐いくらいでした。プロの顔をなさっていました。

・・・という素敵な発見もあり、とても楽しい取材でした。
有難うございました。

のどかさん、さっそく素敵な記事を有難うございます。
あーこんなことしゃべったんだなぁ~文章になると
恥ずかしいなぁ~と思いながら読みました(笑)

それと、どうでもいいことですが・・・
1969年生まれと書いてくださっていますが
正しくは1968年生まれですよ~

はるさんの「あんこやさんの最中」美味しいです。
昨日、親戚の小学生に「和菓子と洋菓子どっちが好き?」
と聞いたら「和菓子かなぁ」・・・嬉しいですね。
はるさんの最中注文しなくては~♪~

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