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十勝にて〜豆の選別と磨き

食の月刊誌「dancyu」の2009年5月号、P163〜167に「村上農場」のジャガイモの話しが掲載されています。北海道探検中、私はその農場にも立ち寄らせていただき、バーベキューをご馳走になりました。
これもすべて、辻本の親分の為せるワザ。感謝、感謝でございます。

そこで、本来なら寒冷地に寝かせた「越冬ジャガイモ」のおいしさを書くべきなのでしょうが、すみません、数種のジャガイモも焼かれていたけど、やっぱり私の興味の対象は豆でした。

Dscn4193これは、金時豆。

北海道十勝産の大正金時ではなかったかと‥‥ 収穫して莢(さや=カラ)を外した状態の金時豆です。
割れた豆や、皮に傷がついたような豆も、まだ混じった状態です。

Dscn4199選り分けた金時豆

商品として出荷するために、豆を選別します。割れた豆や、皮に傷がついたような豆をはじいていきます。
農場主の奥さまである村上智華さんによると「村上農場では、人の目で豆の選別をします。豆を選り分ける基準は、“自分が買ったとき、その豆が入っていたらイヤかどうか”、自分がイヤだと思うような豆は入れないようにしています。私が選別すると、どうしても外す豆が多くなってしまいます」。

選別で外された豆は、捨てるのではなく「もったいない豆」の名でB品扱いにて安価に販売されるところもあるそうです。

Dscn4194豆を磨く

さて、選別で良品とされた豆も、そのままでは商品になりません。「磨き」の手間が加えられます。

天日干ししたあと、トウミなる農具を使って莢を外す作業をすると、どうしても豆自体に小さなホコリや泥が着くのだとか。前から「農家直売の豆って、なんで汚れてるんだろう?」と思ってた私の疑問はここで一気に解決。

村上農場では、豆を磨く作業を手作業でされています。タオル生地の袋に豆を入れ、人の手で文字通り「磨く」作業がおこなわれています。私もやらせていただいたけど、これはたいへん時間のかかる作業です。機械を使って磨くことをしているところも多いそうです。

Dscn4195磨いた後と、磨く前

写真をチョンとして大きくして見比べてください。右側が磨く前の金時豆、左側が手磨きした金時豆。
ね、磨いた豆は輝いているでしょう。豆はこんなふうに磨いて商品化されているのだと初めて知りました。感動です!

Dscn4197Dscn4200茶色貝豆? と栗いんげん

村上農場では「紫花豆」や「中長うずら」など7〜8種類の豆を育てて販売されています。ジャガイモを寝かせる巨大倉庫の奥に、次シーズンのタネになるかもしれない豆が眠っていました。
「茶色貝豆かな?」と話しておられた豆は、「貝豆が時を経て変色したものかも?」という話しも‥‥。北海道には、私の知らない豆がまだまだたくさん眠っています。

あぁ、豆の王国・北海道!

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コメント

辻本の親分さま

「にお積み」なる言葉を初めて知りました。一応、兼業農家の娘なんですが、北海道のことについては知らないことだらけ。
やっぱ「旅」というより「探検」な感じでした。

めぐりんさま

ちかさんご夫妻の農場は、とても広大でした。豆のことばかり考えていたので、うっかり畑の写真掲載を忘れていました。はぁ・・・

超やさしいご主人と、ちかさん、ステキなご夫婦でした。

ふみこさま

先生、こんにちは。コメントをありがとうございます。
煮くずれた金時豆、確かにおいしいですよ。豆の中のザラッとした食感が汁に入り混じって、昔ながらの豊かな味わいに感じます。
大きなお鍋で煮ないと、出せない味ってあるんですよね。

あははは・・・親分登場です!!
鞘豆を「にお積み」して乾燥、からさおを使って脱穀、さらに「とうみ」にかけ殻を飛ばしてから豆選りをする。この作業は、本当に大変です。これだけの事をしているのに安いな~と思います。伊藤さん、昨日撤収に来ました、昔ながらの「にお積み」を見たいので、また来るそうです。子分2名様いらっしゃい~待ってるよ~ん!!

ちかさんちのお豆も我が家にあります。商品の磨きを手作業でされているって言うのは全く知らずびっくりしました。私たちが美味しく食べれるように様々な手間を惜しまず届けてくださる生産者さんに本当に感謝です。ちかさんちのパッケージとっても素敵でしょ♪それにしてものどかさんも ”辻本親分”←定着しましたね(笑)

のどかさん、今日はわたしが毎月毎月煮続けている金時豆のお話を書いてくれてありがとう!!金時豆ってそんなに手がかかっているのですね。私が買っている北海道十勝産の大正豆も多分、手で磨いてあるのでしょう。ピカピカ光っています。もう17年毎月煮続けているので、私から煮豆をもらった人は「すごく美味しかった」と言われます。たぶんお世辞ではないと思います。妹婿などは「姉さんの煮豆の右に出る者はいない」とまで。
いつかのどかさんに味見をしてもらわないとね。でも、私のは必ず煮崩します。これは妹婿の注文です。煮崩れしているほうが美味しいのですって。のどかさんは煮崩れは不合格ですものね。

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